永遠のゆく先へ #15「ユージンの友人」
少女は浮遊する。 自分が何者なのか。なぜここにいるのか。それすらも分からなくなってきた。 少女には記憶がなかった。記憶は人格のすべてだ。記憶を失うのは……自分をすべて失うようなものだ。 少女はも...
少女は浮遊する。 自分が何者なのか。なぜここにいるのか。それすらも分からなくなってきた。 少女には記憶がなかった。記憶は人格のすべてだ。記憶を失うのは……自分をすべて失うようなものだ。 少女はも...
いつもの市民公園。リカは背を向け、カナタはそれを睨んでいる。 「だいたい、エレメントはいつも大昔、あるいは地球から遥か遠くにあるだろ。都合よく現代の地球で見つかるわけないし、あったとしてもどう使うん...
「……トワっちが……消えちゃった!!!」 カナタはそう叫んだ。マリの体に揺さぶるように手をかけながら。その目には隈ができていた。 「お……落ち着いて。まずは何があったのか」 マリが問うと、カナタ...
気が付くと、マリは氷の上で横たわっていた。 「あ、起きた!」カナタがそう叫び、起き上がるマリの体を支える。 マリは辺りを見回す。黒スーツ3人組はどこにもいなかった。 「あれからしばらくやりあって...
修了式が終わった。つまり、高校生活最初の一年が終わったということだ。 ロッカーも掲示物も片付けられて、教室はすっかり生活感がなくなった。ホームルームが終わっても、皆名残惜しそうに話している。「もう会...
マリたちは、毎度おなじみの岩だらけの地表に戻っていた。 「これだよ」\ リカがそう言ってポケットから取り出したのは、あの黒スーツ3人組が落としていったあの装置。補聴器のような部品からアンテナのような...
「また失敗してしまったんだね」\ 「私たちが揃わないと、きっとその先には行けない」\ 「でも大丈夫、まだ次があるから」\ 「そう、何回でも、やり直せばいい」\ 「起こり得る可能性さえあれば、まだ続ける...
「ちょっと、調べさせてくれ」 聡のその口調は、人というより被検体を目の前にしているようにも感じられた。\ 「えっ......」トワはちょっと顔をしかめる。 場に静寂が流れる。 そこに、カナタが茶...
「ほら、ここは先週やったとこだぞ。ジョン・ロックが唱えた権利。それを何て言うかって聞いてんの」 不満そうな先生の声が、教室に響き渡る。マリの前の人が当てられて、答えられなかった。悪い流れだ。この先生...
「みな......さ......ん......」 うめき声を上げて、ケイ素でできた村長の体が、溶けるように崩れる。立ち尽くす4人の目の前で。無邪気に走り回っていた子供も、何億年も壊れなかったという家...