タグ #小説 がつけられた記事

  • ひのもとさんに無許可で

    昔、皆が毛皮の服を着ていたある村に、小柄な男がいた。彼は体力は無かったが賢く、狩りの方法を皆にアドバイスしていた。 ある日彼は森林火災を見た。皆が恐れおののいたが、彼だけは、これを何かに使えないかと...

  • 黄昏のクジラ

    人間とクジラが分かれたのは、8000万年ほど前だという。一度海を離れた動物は、かたや陸を闊歩し、かたや再び海に戻った。そんな何もかも正反対に見える中で、高度な知性だけはどちらも独立して獲得したのである...

  • 神経毒

    わたしはふかいうみのなかでめをさましました。うみはとてもひろくておおきくて、たのしいところなので、わたしはまいにちしあわせでした。 わたしはそばにいた、「たからがい」さんとさんごさんとらいおんさんと...

  • 疎外感

    その日はいつもと変わらない平凡な一日だった。それが一年の最後の日である点を除けば。世間はすっかり年末ムードで、一家団欒だの年越しデートだのというところだろう。もっとも家にテレビもなければネットニュース...

  • 創造性の時間

    「ごはんよー! 起きなさーい!」 母のその声によって、睡眠が強制終了される。毎朝のことだが、少女は非常にうんざりしていた。室温は12度。時代遅れの断熱性能のせいで、部屋は冷蔵庫のように寒い。 なん...

  • 【小説】幸せ売りの少女

    どこかの国の12月。寒空の下、マッチを売る少女がいました。すべて売れるまで帰ることはできません。もし勝手に帰ったら、主人が家に殴り込みに来るかもしれないからです。 カゴいっぱいに入ったマッチ。しかし...

  • 選択的動植物

    1. 児童Aから回収された日記(抜粋) 9/8 ママが■■■■のペットショップで変なものを買ってきた。「ワンダーボール ~運命は君が決める~」って書いてある。ふくろを開けると、茶色い玉が入ってた。説...

  • 【Python】自分が死んだ時に処理を実行する

    人ならば誰しも、自分が死んだときに何らかの処理を実行したいという必要性に迫られると思います。 何を言ってるんだって? 例えば、誰しも見られたら恥ずかしいファイルをハードディスクの深い階層に隠し持っ...

  • 倫理の外部化

    各世代すべてのインターネット利用率が98%を超えたと言われるこの時代。もはやネットはネットなどと言ってはいられないほど現実世界と密接に関連していた。四半世紀以上前から続くインターネットのトラブルや炎上...

  • 漁師とビジネスマン・リターンズ

    漁師がやっていた釣りの手法を見て、ビジネスマンはこの方法を特許にして、ビジネスで大儲けした。彼はある日、「田舎の漁師がやってるのを見て思いついた」とうっかり発言してしまい、その漁師に補償をすべきだと声...