昔むかしあるところに、とても貧しい村がありました。特にその年は凶作で、飢えて亡くなる人が後をたちませんでした。このままでは村が滅びるのは時間の問題でした。 そこに、一人の若い旅人がやってきました。名...
なんでそんなことを思いついたのかは、今でもはっきりと覚えている。 あの時は確か、むせ返るような暑い夏だった。エアコンの効いた部屋で、ベッドに寝転がりながらスマホでSNSを見ていた。 と言っても、趣...
かつて、若者全員を熱狂させた、伝説のロックバンドがあった。ボーカルの圧倒的なカリスマ性、ギタリストの強烈な個性、堅実なベース、力強いドラム。 残念ながら、このバンドは5年と持たず解散した。原因は、ギ...
今日はしずかな日だ。 ものの通りが少ない。久々に「道」を休められる。「お客さん」たちも笑っている。 最近はこんな日も少なかったな。やたらに忙しくて、まいっていたところなんだ。しばしの休息だ。ひとね...
その村は藁ぶき屋根の家と畑が広がる、のどかな村だった。都会の喧騒など知らないかのように、四季折々の自然と人々が共存していた。 ある夜、その村にひとりの盗人が入った。彼は隣の町に住む男で、その村の特産...