私: 最近、AIで書かれたと思われる記事が増えてきていますが、その中に、人間とAIの対話をそのまま載せたような記事があります。これについてどう思いますか?
Claude: AIで書かれた記事の増加と、人間とAIの対話をそのまま掲載する記事についてのご質問ですね。
そのような記事形式については、いくつかの観点から考えることができます:
透明性という点では、AIとの対話をそのまま公開することで、AIの回答プロセスや限界が読者に明確に伝わる利点があります。読者はAIの思考過程や応答の形成方法を直接見ることができます。
一方で、編集されていない対話をそのまま掲載することは、冗長で構造化されていない内容になりやすく、読者にとって価値ある情報を効率的に伝えられない可能性があります。通常の記事なら編集プロセスを経て洗練されるところです。
また、こういった形式は新しいコンテンツ形態として進化している段階かもしれません。対話形式は質問と回答が明確で、特定の疑問に対する答えを探している読者にとっては便利な場合もあります。
AIとのやり取りをそのまま公開する際には、内容の正確性や品質の確認、適切なコンテキスト提供など、編集上の責任について考慮する必要があるでしょう。
こうした形式は、技術の進化とコンテンツ消費の変化を反映した興味深い現象だと思います。今後どのように発展していくか注目したいところです。
私: 最低限の取捨選択やファクトチェックを行ってもなお残る問題点は?
Claude: 最低限の取捨選択やファクトチェックを行った後でも、人間とAIの対話をベースにした記事には以下のような問題点が残る可能性があります:
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文脈の欠如 - 対話形式では、背景情報や広い視点が十分に提供されないことがあります。特定の質問と回答に焦点が当たるため、トピックの全体像が見えにくくなります。
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認知バイアスの強化 - 質問者の前提や視点が対話を方向づけるため、特定の観点だけが強調され、バランスの取れた議論になりにくいことがあります。
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深堀りの限界 - 単一の対話では、複雑なトピックを十分に深く掘り下げられないことがあります。特に専門的な内容では、表面的な理解にとどまる危険性があります。
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スタイルの単調さ - AIの回答スタイルには一定のパターンがあり、長い対話記事では読者を飽きさせる可能性があります。
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信頼性の問題 - ファクトチェックを行っても、AIの知識の限界や誤った自信から生じる微妙な誤りを完全に排除するのは難しいことがあります。
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権威づけの問題 - AIの回答が「専門家の見解」のように受け取られる可能性があり、人間の専門家の意見と適切に区別されないことがあります。
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思考の多様性の欠如 - 異なる視点からの検討や、創造的な発想の飛躍が限定的になりがちです。
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更新性の問題 - 対話時点の情報に基づいているため、特に急速に変化する分野では、情報が古くなるリスクがあります。
こうした問題点を踏まえると、AIとの対話を記事化する際には、複数の視点を意図的に取り入れたり、専門家のレビューを加えたり、適切な文脈情報を追加するなどの工夫が必要になるでしょう。
……みたいな記事最近あるじゃないですか。
読みにくいっす。
いや、確かに内容を過不足なく(過はあるかも)伝えてはいるんですよ。でもなんか読む気にならないんですよね。
最近のやや過剰にフランクなGPT-4oならまだマシなのかもしれないけど。
いや、こちら側が敏感になっている節はある。この記事AIっぽいなと思ったら10年以上前の記事なんてこともあった。なんなら自分がAIより読みやすい記事を書けるとも思わないし。
せっかくAIを使うなら、もっと要点に絞ってまとめさせたほうがいいと思う。それでも読みにくさは残るけれども……。
だがここで私は思った。
読みやすい必要がどこにある?
最近は検索エンジンにAIが搭載されてきているが、AIを使う前提の調べ物だと、記事が読みやすいことの意味が変わってくる。
記事が読みやすいことは人間にとっては利点だ。だがAIにとっては、内容に論理的な間違いがない限り大した違いはない。ならば、AIを使う調べ物が普通になれば、記事が読みやすい必要がなくなる。たとえ記事自体が読みにくくても、AIさえそれを理解できれば、あとはAIが勝手にわかりやすくまとめてくれる。
つまり、Web記事は、人間が読める必要がなくなる。こうなると最終的にはすべての知識が埋め込みベクトルで表現され、インターネット全体が巨大なベクトルデータベースになる日も近いかもしれない。
これはあくまで、技術記事をはじめとする知識系の記事に言えることであって、面白系・娯楽系はまだまだ人間に向けて書く必要がある。あくまで体感だが現状のAIが一番苦手なのはユーモアを自分で作ることであるし、何よりそれらをAIに読ませてもユーザーには何のメリットもない。
書く側は、書くのがだるいからAIを使う。すると記事が読みにくくなり、それがだるいので読む側もAIを使う。書く側のAIの使用が、読む側のAIの使用も加速させる。
私自身はそういう進化の方向性は構わないと思っているが、既存の常識と決別する覚悟をもつ必要があるのは間違いないだろう。